近傍追跡モード


[aeroTAP 3D カメラ] 設定画面の[検出モード]で、[近傍追跡]を選択すると、手のひらではなく、カメラから約100cm 以内の近傍オブジェクトを追跡することで、仮想カーソルを操作できます。

近傍追跡モードでは、 aeroTAP 3D USB カメラからの距離情報を元に、近傍のオブジェクトを認識して追跡します。例えば、手や、物をカメラに近づけると、それを追跡して仮想カーソルを操作できます。手のひら操作ができない設置(例えば、カメラがオペレーターの上半身をとらえられない下向き)の場合に有効です。

重要: カメラ視界近くに何か「人」や「物体」があると操作の障害になるのが、「手のひら追跡」との違いです。また、「手のひら」など形状を認識していないため、例えば、人や物が近づくことで不用意に反応してしまうことがあります。周辺に人や物がある環境には向いていません。

近傍追跡モードは、距離データが比較的安定して取得できている環境でのみ有効です。利用する場合には、ご利用になる環境で事前に深度画像を使って確認してください。環境によっては、[正しい深度データが得られない場合の深度マスクの設定]を行って改善できます。
また、近傍追跡モードでは、操作領域を変更することで、近傍検出範囲を制限することができます。不要な物体がカメラの視界にある場合には、操作領域を変更してそれらを除いてください。


ヒント: バージョン6.xの近傍追記モードとの機能が大きく変わっています。バージョン6.xをご利用の場合は、「近傍追跡モード バージョン6.x」を参照してください。
バージョン7.xの近傍追跡モードは、仮想タッチ面を生成するなど、「仮想タッチパネルモード」に近い処理が行われます。ただし、以下の条件が仮想タッチパネル機能と異なります。


重要: 近傍追跡モードは、細かな操作が困難ですが大きなボタンや写真の選択に向いています。

ヒント: 仮想カーソルのブレを軽減するために、[全般]タブの[仮想カーソルの設定]で[移動のスムーズ化]の値を大きくして調整してください。


仮想タッチ面の生成とクリックアクション

近傍追跡モードでは、仮想タッチ面を[仮想面距離]で指定したカメラからの距離位置に生成します。また、カメラを上下に傾けて設置する場合の角度( -30から+30°まで)を指定することができます。

深度画像上に表示される「青い点」、または「緑の点」が、検出された近傍オブジェクトです。「緑の点」は、オブジェクトが仮想面に触れていることを表します。カメラの前で手を動かして環境に影響なく追跡できていること、また前後に動かして仮想面の位置を確認してください。

クリックアクションは、「仮想面にタッチする」、または「前に押す」ことで行えます。
クリックアクション
設定方法
仮想面にタッチする [機能設定]タブの[クリックアクション認識]で、[握ってクリック]を選択。

 仮想面は、設定したカメラからの位置に生成されています。
前に押し出す [機能設定]タブの[クリックアクション認識]で、[押してクリック]を選択。
 10cm程度、押し出すことでクリックアクションが認識されます。

  仮想面にタッチしただけでは、クリックアクションは実行されません。仮想面内で押し出すアクションを行います。
以下の様な設定をお勧めします。近傍では、検出距離に合わせて距離フィルターを140cm程度に設定します。操作領域を大きく設定します。
より近くでの近傍設定を行うには、距離フィルターの値も小さく設定してください。
カメラを下に傾けた場合は、カメラ角度を設定します。



ヒント: ご利用になる環境によっては、深度画像が正しく取得できない場合があります。深度画像の青い点が、近傍オブジェクトとして、正しく、検出、追跡していることを事前に確認し てください。

重要:
近傍追跡モードでは、細かな操作が困難です。大きなボタンや写真の選択に向いています。

ヒント: 仮想カーソルのブレを軽減するために、[全般]タブの[仮想カーソルの設定]で[移動のスムーズ化]の値を大きくして調整してください。

重要:
仮想面距離を50cmより大きく設定すると、画面全体をポインティングすることができなくなります。距離を大きくするほど、中央付近のみがポインティング範囲となります。


チュートリアルビデオ


検出モード

検出モード
説明
手のひら追跡 手のひらのみを検出します。
近傍追跡 近傍オブジェクトのみ検出します。手のひらは検出されません。

近傍追跡モードの使い方

近傍検出は、カメラからの距離が 40cm から100cm 以内の物体を検出します。単純に手をカメラに近づけると、検出されます。手にペンなど細い棒を持つ際には、注意してください。近傍オブジェクトでは、カメラに近い部分を先端として認識しますが、細い、または小さいものはオブジェクト(物)としては認識しません。軽く握った手や2本指などが適切です。

近傍追跡モードでのクリック

近傍モードでの、クリックアクションには、[停止してクリック] 、[握ってクリック(仮想面をタップ) ] 、または[押してクリック]が利用可能です。

重要: 近傍追跡モードでは、[押してクリック]がお勧めです。


操作   説明
ポインティング

近傍モードでのポインティングでは、指先1本より、2本指でポインティングするとカーソルが安定します。

クリック   クリックアクションは、[詳細設定]画面の[クリックアクションの種類]の設定に依存します。

[握ってクリック] を選択した場合、設定した仮想面にタッチすることでクリック アクションになります。

[押してクリック] を選択した場合、設定した仮想面内で「押し出す」ことでクリック アクションになります。

近傍追跡モード設定のヒント

近傍モードで、ポインティングする際、距離が遠い程カーソルのブレが大きくなったり、近づくほど細かい部分のポインティングが難しくなります。近傍モードのみを選択している場合、次のいずれかの方法で操作性を上げることができます。

1. [全般] タブで[スムーズ化]の値を大きくして、仮想カーソル移動時のブレを軽減する

これにより、仮想カーソルの動きは遅くなりますが、カーソル移動時のブレが軽減します。x4 などの値を選択してください。

2. クリックアクションの認識 [押してクリック]を利用する

[機能設定]タブのクリックアクションの認識で、[押してクリック]を利用することをお勧めします。押してクリックでは、仮想カーソルが停止していることを確認して、10cm程度前に押し出すことでクリックを認識します。

3. カメラを 20度程度傾ける

場合によっては、カメラの角度を最大30度の範囲で下に傾けることで、手をそれほど上に上げずに操作できるようになります。カメラがオペレーターの上半身をとらえられない向きの場合に有効です。傾きを大きくしすぎると、クリックの認識が低下します。

4. ガイダンスの表示と操作ロックを利用する

近傍追跡モードでは、手のひら検出に比べて 誤認識による操作の可能性が高くなります。近くに何かあることでそれを追跡しようとするためです。
誤検出を軽減するには、ガイダンスの表示と操作ロック機能を利用することをお勧めします。
これにより、オペレーターが操作していることを確実にできます。

5. [ようこそ] タブで操作領域をカメラビュー全体に広げる ( Professional 版のみ )

これにより、操作領域と対応する画面の大きさの割合が大きくなり、ブレが小さくなり、 また細かなポインティングが可能になります。
また、操作領域を変更して不要に映り込んでいる領域を除外することができます。

6. 深度マスクの設定

近傍追跡モードでは、3Dセンサーにより深度データを使って近傍の物体を追跡するため、環境によっては正しい深度マップが得られない場合があります。この時、設置後深度マスクの設定を行うことで改善することができます。